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231 :QB ◆1QExkr4l7w:2011/06/18(土) 19:45:33 ID:AsptSN5s

 最初に俺たちが召喚されたのが巨大なモニターの備え付けられた、大きいスタジアムほどの広さのある無機質な大広間だった。そこからぞろぞろと出てきた先にあった廊下や部屋。そこからまたいくつか歩いた先にあったこの施設の出口に近い、無人のカウンターにぽっかりと開いた穴の前に立つと、無機質な機械音声が無愛想に言葉を伝え、穴からずっしりと重いリュックサックのようなものはき出してきたので受け取った。
 受け取ったリュックサックは重い。果てしなく重い。俺が運動不足気味なのを排除するとしても、5キロから10キロぐらいはあると思う。正直な感想は、こんなもん持ちながら行動なんかできるかよ、というものだった。
 しかし不満顔をしつつもその場からすぐに離れた。俺の後ろにも大量の人間がいたからだ。そう、大量の。
 別に俺一人がここに誘拐されたわけではない。老若男女、流石に赤ん坊はいないが、小学生や中年のおばさんなんかも混じっている。皆、不安そうな顔で日本人らしくカウンターに並んでいた。俺の前に支給品を貰った連中も支給品を抱えながら不安そうな顔で目の前をうろうろしている。
 支給品を貰った後は個人の裁量で自由にしていいと言われているが、たった一人で行動することもできない人間が多いのだろう。そりゃそうだ。これはゲームや漫画などでよくあるデスゲームなんかとは違う。ゲームではないのだから攻略法なんかはないし、そもそもゲームっぽく考えられる人間なんかが都合よく身体を鍛えているわけがない。さっさと行動するより人間同士で集まって集団を作るのが一番なんだろう。

「……そういや」

 とはいえ、こんなぱっとしない連中と群れて時間を潰すわけにもいかない。リュックを漁り、案の定この塔周辺の簡単なガイドを見つけ出す。俺の行動を見ていた連中が慌てて自分の荷物からガイドを取り出しているのが見えた。
 荷物を確認する。こんな簡単なことも思いつかなかったらしいが、当然か。攫われて、説明を受けて、心の整理もできていないんだから。それに、そもそもなんでこんな場所にいるのかもわからんのだ。
 建物から出て、あちこちを見る。建物の出口の前には、広い空きスペースと建物を外から囲む柵が見える。それと、遠くをみればよくわからない素材でできた真っ白なビルが建ち並び、整備された道路らしきものが見えた。ふと、今出てきた施設を振り返ればわざわざご丁寧に日本語で『軍司令部』と看板がある。
 あまりの達筆に呆れながら手元のガイドを見、意外にこの都市が広いことを知る。……歩くのは、嫌だなぁ。
 周囲を確認してみれば、出口の辺りに支給品を受け取り、中で群れずに外に出た人間が何人か見えた。もうグループを作ったのだろうか? 剣らしきものや銃らしきものを持ったそいつらがバス亭らしき場所に向かっていくのが見えた。
 ……剣に銃ねぇ。支給品なんだろうか?
 というか、これだけ文明が発達しながら支給された武器は剣? 兵器関係はよくわからないが、どうなってるんだろう。
 首を傾げながらも施設の隣へと歩いていく。ガイドには大きく駐車場と書かれている場所だ。頼めばバイクぐらい借りれるだろうと思ったんだが。

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