なるほど告知欄じゃねーの

■掲示板に戻る■ 全部 1- 101- 201- 301- 401- 501- 601- 701- 801- 901- 最新50 [PR]ぜろちゃんねるプラス[PR]  
レス数が1000を超えています。残念ながら全部は表示しません。

偽物(コピー商品)売却市場copy-shopping

334 :QB ◆1QExkr4l7w:2011/06/19(日) 20:54:58 ID:AsptSN5s

 頷く。少女が端末をじっと見て、それが全部受注済みになっていることを確認してから俺に向き合った。

「これが、何か?」
「遊びが多すぎるって話の裏付け。で、俺たちからもコンタクトを取れる人物がいるって証明」
「確かに遊んでるといえば遊んでますけど。それで、この人たちがお金を賭けてるってことですか?」
「ああ。そうだと思う。話は戻るけどゲームでさ。特定の人物の話を進めるとその人物との好感度が上がるってあるだろう。それと同じで、たぶん、この特別任務って奴を受け続けてればそういう連中から連絡が入るようになると思う。そして評価があがれば」
「お金を賭けてくれると?」
「そう。そうすれば、くだらないことで俺たちを失うのが嫌になってくる。金を賭けてるからな」
「だんだんわかってきました。つまり塔とやらの攻略が進めば進むほど私たちの生存率が施設の外の力で進んでいくってわけですね」
「そうそう。で、ここで本題が出てくるわけだ」

 少女がそのちょっと可愛らしい顔を俺に向け、真剣なまなざしで見つめてくる。
 二重まぶた。強い意志を秘めた瞳に、少し、ぞくりと何か妙な感覚に陥る。

 ――――俺は、この瞳を知っている?
 
「どうかしましたか?」
「あ? い、いや。なんでもない」

 気のせいだと思うことにし、話を戻す。まさか、出会って最初の人物が、そんなわけがない。
 気を取り直して言葉を続ける。

「で、少なくとも俺と組めば、一人で攻略するよりマシだと思うが」
「貴方は今一番進んでる?」
「たぶんな。俺は今日からでも塔の攻略ができるが、少なくとも組織の連中は10日は動けない」
「10日?」
「パラメーターアップアイテム喰ってみろ」
「大丈夫なんですか? これ」
「食わなきゃ生きてけないぞ?」

 俺の言葉に、ごそごそとリュックから果実を取り出して口に入れる少女。そうしてうっ、と顔を顰める。

「腹に溜まるだろ? なぁ?」
「確かに、太りそう。うぇッ。しかもマズイ」
「肉体を強引に改変するからな。続けて食べられないようになってるんだろう」

 例えるならバリウム飲むみたいな。いや、ちょっと違うか。

「あいつらは、たぶん最低でも150個は「違いますよ」……ん?」
「一人当たりたぶん600〜900だと思います。900人割る30人かける果実の個数ですから、私が28個、貴方は?」
「33個、かな」
「でしたら600〜900でしょう。大人の男の人ですし、一日五個と見積もっても、120日?」
「いや、流石にそこまで動かないなんてのはないと思うが、10日は余裕があると思っていいのか。組織の編成もあるしな・・・・・・」
「そう考えると、貴方、実はスゴイわけですよね?」
「長期的に考えると奴らのほうが上手なわけだが。それに、毎日攻略にいけるかもわからないしな」
「そのために、ですか?」
「ああ。そのためにな。二人か三人は人間が欲しい。欲を言えばこっちも組織を作りたい気分だが、今の状況だと信用できる人間も少ないしな。そういうわけで君に声かけたわけだ」

 少女の目には疑惑らしきものが見えた。とはいえ、相手も俺を手放す気にはまだなっていないようである。
 もう少し声をかけてみる必要があるが。

「私は信用できるんですか?」
「初日、状況、人物、こんなところだろう。どこまで信用できるかなんて俺の判断次第だが、裏切るような人間とも思えなかったしな」

 というのは嘘である。少なくとも俺に人を見る目はない。こいつが裏切るかはわからないが、今は背に腹は変えられない。最悪、あちらの組織に行ってしまう、なんてのも考えられるが……。いや、それはないか。あちらの組織にそこそこ、かなり、結構、いやいや、すごく見栄えのする女子学生が一人で行ったところで食い物にされるだけだろう。あの人相。恫喝しなれた様子。剣はともかく刃物の扱い方を見ればまともな人種でないことは明らかだ。
 あの組織の幹部連中はこの賭けの有望株といったところか? しかし、初期装備のダガーでこれだけの殺傷力が必要な敵、ねぇ。俺のボウガンもただのボウガンじゃないっぽいし。
 思考を現実に戻して少女の顔をじっと見つめ続ける。少女は、プイっと顔を背けてしまう。ちょっと顔に赤みが見えるが……。照れたか。
 クク、と小さく笑って外に出ることにする。

1164KB
READ.CGI - 0ch+ BBS 0.7.4 20131106
ぜろちゃんねるプラス