偽物（コピー商品）売却市場copy-shopping

336 ：ＱＢ ◆1QExkr4l7w：2011/06/19(日) 20:55:39 ID:AsptSN5s

　内藤が武器屋で武器をそろえてる間に俺も今後の行動方針を定めておく。車の中でガイドを広げ、道具屋と武器屋にチェックを入れる。そうしてから、あるべきものを探すと。

「･･････数は、あるみたいだな」

　ラブホテルなんたら、ってのは、性交目的用か？　市販のゲームでもいちいちあったから、機械文明人がいれたんだろう。
　もちろん俺たちの趣味嗜好に気を使ってなんて理由じゃないことは確かだ。
　先ほどから言っている遊びの部分がそれだ。素材は銅じゃないだろうに、銅に似せて、銅の鎧なんて作ったぐらいなのだから。

「タカぼんさん。どうしたんですか？」
「ん、もういいのか？」
「ええ、まぁ。もういいというより。選びようがなかったわけですけど……」

　ドアを開けて内藤が車内に入ってくる。見れば、布の服より一ランク上だろう、銅の鎧に、武士風の和風の装備だ。
　車についているミラーを見ながら、髪をかきあげたり、まつげの様子を見る内藤。女だなぁ。

「装備ひとつがすごい高いですね。防具を四つ買ったんですけど、クレジットこれで１４０００ぐらい使っちゃいました･･････」

　はぁ、という表情で新品の防具を見下ろす内藤。
　･･････。防具の値段と、残数の決まっているアイテムの値段を考えてみるが。つまり、集めた人間の半数は死ぬ予定だったのか？
　肉人形以外にも生き残る手段ってのがいくつかあるんだろうが。それでも施設に集められた人間全員が生き残るには、遊びの要素が足りない。
　そう考えるとあの組織。本音の部分はともかく、人死にから人間を救う分には上手く機能しているようだった。
　無意味では、ないか。俺の好みの問題があるだけで。あれの組織を潰すなんて馬鹿な真似はできそうにないな。できるかできないかも別として。

「それで、どうするんです？」
「そうだな。案は二つだ。最初は別行動。最初から一緒に行動。その二つだ」
「はぁ。どんなメリットがあるんです？」

　エンジンを動かし、するすると進んでいく。塔に向かうべきか、宿屋に向かうべきか、どちらかだが。いいや、塔にしよう。

「別行動は、まず俺が塔を攻略する。そして内藤が施設を探索する。そうすることでお前みたいに単独行動してる連中を発見して俺たちの陣営に取り込めるよう話をつけられ、組織に先んじて塔も攻略できる。あとは、ガイドに乗ってない店関連を見つけられるって利点だな。
　デメリットは、単独行動の俺が死ぬ確率が高いことと、内藤がおっさん連中に発見されたときに上手いことやらないと誘拐ぐらいされてもおかしくないこと。あとガイドに乗ってない店は別に今見つけなくてもいいってのもある」
「･･････はぁ。すごい、デメリットですね。えっと、それじゃあ一緒に攻略か探索で決まりじゃないんですか？」
「そうすると探索より攻略が優先だな。ああ。ただ、これだとお前みたいに単独で行動している連中につなぎが取れなくなるって可能性がひとつ。まぁ、一日も耐えられなかった人間なんか入れても意味ねぇかなぁとか思うけど、相手は組織だからな。･･････いや、初日は大丈夫か」
「･･････？　他にはなにかあるんですか？」
「そう、だな。宿屋ってガイドにあるだろ。あっちの連中も利用する宿舎は流石に使えないんで、そこを今後の拠点にしたい。金を稼げるってわかったらどっか空きのあるでかい施設を借りるつもりだが」
「えっと、話飛んでますよね？　でも、その宿屋って、よくゲームにあるギルドとかクランとかですか？」
「話しが飛んだのは、あー、気にするな。で、展望としてはこっちも組織を作っておきたい。機械文明人のバックがつけば万々歳ってところだが、まだまだ俺たちは試されてすらいないからな。それで、組織にとられる前に宿屋のひとつでも確保しておきたいんだが」
「じゃあ、やっときますね。端末貸してくれますか。って、あ、話が飛んだんじゃなくてデメリットの話してたんですか？」
「そうだが。面倒だったんで。･･････、で、端末って？　もしかして端末から予約できるのか？」
「できるんじゃないですか？　というか、そういうことのためのものなんじゃ」

　呆れたように言われる。いや、俺って基本どっか抜けてる性格だからそういう顔で見られてもなぁ。
　言われて気づいたので腰の端末を内藤に渡した。宿屋の予約は任せておこう。