偽物（コピー商品）売却市場copy-shopping

337 ：ＱＢ ◆1QExkr4l7w：2011/06/19(日) 20:55:51 ID:AsptSN5s

「だいたいいくらぐらいだ？」
「ちょっと待ってください。施設利用からいけるみたいですね。一覧、ソートを安い順に並べて。･･････そう、ですね。一番安いところで一晩一日１０００クレジットです。高いなぁ」
「いや、安いと思うが。何部屋の宿屋だ？」
「１６部屋ですね。食事も出るみたいですよ」
「そうか。･･････よし、全部屋三日予約しといてくれ。金は俺のクレジットで」
「全部屋ッ！？　って、いいんですか？」
「それで安全な宿になるはずだ。少なくとも、組織の連中が借りれなくなるからな」
「はぁ、でもタカぼんさん残りクレジット１００になっちゃいますけど･･････」
「構わん。やらなきゃならんことだしな。いや、そうだな。なら二日にしといてくれるか」
「･･････無駄金なんじゃ」
「ああ、無駄金になるのが一番だ」
「･･････？」

　俺の予想じゃ組織の幹部連中は初日から宿舎とは違う場所に寝る場所をつくるだろうからな。それが安く済むならってことで安宿を使う場合もある。バス待ちしてた連中と違って、誰が何を所有するかでもめるなんて間抜けはしないだろうし。あちらは容赦なんかしないんだろう。
　だから、中途半端に借りたら舐められるだろう。最悪嫌がらせとして、同じ宿に泊まってきて人数で囲まれる、なんてこともあるかもしれんし。

「それで、だ。話を戻すぞ。塔攻略最大のメリットは特別任務を進められるって奴だ」
「でも任務のことは軍司令部でも確認できるんですよね？」
「ああ。だが、奴らも三日は動けない。動いても意味はない」
「えっと。パラメーター、ですか？」
「そう、動いても死ぬからな。これだけパラメーターアイテムがあって、更に武器屋に金で買えるアイテムが充実してるってことは、これはゲームでいうところの糞ゲーだからな。バランスは悪いだろう」
「･･････随分確信があるんですね」
「誰でもクリアできるゲームだったらわざわざ俺たちを呼びつける必要はない。恐らく、パラメーターアップして、肉人形があって、それっぽい伝説的な設定のついた武器をもってやっとラスボスがクリアできるんだろうが。･･････ああ、そうだよな。でないと、賭けにする理由がないからな。誰が勝つかわからない状況になってないと、人が大量に死ぬ状況にならないと……」
「ちょっと、やめてくださいよ。なんか不安になるじゃないですか……」

　袖を引かれたので内藤を見るとちょっと涙目である。こんな状況で、ねぇ。ラブコメってるわけじゃないが、少女の仕草に少しおかしくなってしまう。

「な、なに笑ってるんですか？」
「いや、お前。安心してたのか？」
「･･････ぅ、ちょ、ちょっとだけですよ」
「そう、だな。まぁ、そういうもんだろうが。ああ、とりあえず安心しとけ」
「･･････はい？」
「当分は守ってやれるだろう。一階の中盤までだろうが」
「あの、いえ、いいです。自分の身は自分で守ります」

　決心するように言う内藤にうなずいてやる。
　そう、それでいい。安心なんて阿呆な感情。少なくとも、状況が改善させるまで持つべきではないだろう。